お茶は畑から生まれます。

奈良月ヶ瀬在来品種

みんなの茶畑オーナー制度の山中でございます。奈良月ヶ瀬の一番茶の収穫がはじまりました。新芽を持つ巽さんの手は、やっぱり農家さんの手ですね。かっこいいー!

今日はご報告があります。今まで、オーナー制度として、年間を通じて季節のお茶をお届けしていましたが、これからは単品でも購入&お届けできるようにします。数に限りがあるので、ご興味のある方、早めにご連絡ください!

ところで。お茶の評価や値段ってどうやって決まるか知っていますか?知らない?では教えましょう。1、収穫が早くて市場に早く出荷できる!(標高が低いところ)、2、茶葉の見た目がキレイ!(農薬、肥料しっかり!)、あと、3、人気の品種だと、業者さんはお茶を高くで買ってくれるんですね。

でもこれって、品質とはまったく関係ない。日本の閉鎖的なお茶業界の闇です…宇治茶って宇治だけで作ってないもん。

一方、この月ヶ瀬のお茶は、日本でも収穫が遅くて(標高が高くて、霧も多くて、激しい寒暖差)、在来品種だから茶葉は不揃い、農薬も肥料も使っていないから、お茶の色もキレイなグリーンじゃない。てな所です。

ここからが本題です。なぜ?単品での購入もできるようにしたのか?

事業を立ち上げた7年前は、「オーナー制度」を前に出して、茶畑とダイレクトにつながる事をコンセプトにしていました。そのためには「制度」と言う言葉と仕組みが必要でした。

そして翌年。311東日本大震災が突然やってきて、以降、今までの価値観を見直す事になり、地域や農業が表舞台に出るようになって、スマホも浸透して、合わせてSNSも普及して。

シングルオリジンって言葉も認知されるようになって、生産背景の透明化が求められるようになって、消費者は生活者と呼ばれる様になって、多様な価値観でより賢く、生産者と繋がるようになった。

「これって、僕たちがオーナー制度で目指していた事じゃない?もうそんな世の中になったよね」って。

そんな移りゆく時代の中で「オーナー制度」という言葉そのものに随分前から違和感を感じていました。もう「オーナー制度」という言葉が時代の中で役目を終えたのかも知れないなぁって。

農業や地域、そして消費活動そのものもデザインとして捉え、グッドデザイン賞も受賞したし、デザイナーのとして時代の先見性があったとは思っています。

ちなみに、農業や地域にデザインの要素を加えた、大先輩、佐藤卓さん率いる『ほしいも学校』も同じタイミングに、同じカテゴリーでグッドデザイン賞を受賞されています。それがきっかけで、恐れ多くも対談させていただいたし、それからも何度か、一方的にボクがお邪魔しては、ご一緒させていただいたりと。「次、お会いしても、恥ずかしくない仕事をしていよう。」と、いつも自分に言い聞かせています。

言うまでもなく、梅原真氏は、まさにレジェンドです。

ちなみに、とっても有名になってしまった、みなさん大好き(笑)、「東北食べる通信」が、グッドデザイン賞を受賞するのは、それからしばらく後のことです。

お茶は畑から生まれます。「日本のお茶」や「宇治のお茶」といった曖昧な言葉ではなくて、ボク達のお茶は、「奈良月ヶ瀬」にある、みなさんが茶摘み体験で足を運んでくださるあの場所で生まれています。

種から育てた樹齢50年以上の在来品種のお茶の樹を無肥料・無農薬、自然栽培という(雑草栽培と呼んでもイイ!)環境の中で、茶農家の巽さんファミリーが面倒を見てくださっていると。

そんな事実をお互いが理解し合い、商品を手にとってくれれば、それで良いじゃないか。と。

まとめにはいります。これからは、もっと純粋に、「生産者」と「生活者」がシンプルにつながれば良いなと感じるようになりました。そこには、「制度」は必要なくて「仕組み」も必要ない。オーナー制度という存在はこれから消えていくけれど、関係はこのままでありたいと思っています。

今まで、サポートしてくださったオーナーの皆様。イノベーターとして ボク達の活動に理解していただいて感謝しています。
USTREAMで茶畑から生放送していた頃が懐かしいです。 そして茶畑に足を運んでくれた皆様もありがとうございました。

まるで、もうボク達がいなくなる様な締め方だけれど、そうじゃありませんからね。「制度」と言う言葉と仕組みが無くなるだけです!もちろんこれからも年間を通じての契約も続けますし、茶摘み体験も行います。

今年も茶畑の一年が始まります。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

奈良月ヶ瀬 みんなの茶畑 主宰 山中史郎・園主 巽直弥